今回は資産総額230億円の個人投資家cis氏の投資哲学が書かれた「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」という本を読んだ感想と自分の今後投資に活かせると思った収穫について書きたいと思います。
資産230億円のcis氏の投資哲学本を読んだ感想と収穫
まずはじめに、個人投資家のcis氏について簡単に紹介したいと思います。
個人投資家cisとは
本によると、cis氏は300万円から投資を始めて今までに230億円稼いだというスーパー個人投資家です。
1979年3月生まれということですので、2018年12月時点での年齢は39歳で結婚もしているようです。
最初は少しサラリーマンをやっていたそうですが、すぐに専業の投資家になり、39歳という若さで
230億円というとてつもない金額を稼いだという桁違いの天才投資家です。
一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学を読んだ感想
まずはじめに、この本はcis氏の具体的な投資手法を紹介するような本ではありません。
cis氏がこれまでどのように投資に出会い、そしてどのような投資哲学で230億も稼ぐことができたかを紹介する自伝のような内容になります。
私は「1日10分で億を稼ぐ方法」とか「誰でも儲けられる~」みたいな具体的な投資手法を紹介する本には興味がありません。
なぜなら、テクニカルにしても銘柄のスクリーニング方法を教えてもらっても、自分なりの投資ルールを確立し、それを実行できる精神を身につけないと継続して勝つことは難しいと思っているからです。(cis氏もこの本の中で投資手法が書かれた本は意味がないと断言しています。)
しかし、若干39歳で230億円も投資で稼いだ人はどう考えて投資しているのかという投資哲学には非常に興味を惹かれて購入しました。
この本を読み、私が感じたcis氏の投資哲学は以下の通りでした。
詳しくは本を買って読んで頂ければと思います。
- 投資は順張り
- 損切りは早く、利確は遅く
- 株式投資はゲームでありギャンブルである
投資は順張り
cis氏は基本ポリシーとして上がり続けるもの上がり、下がり続けるものは下がるという考えのもと、順張りしかしないそうです。
そのため、上がっている株を買い、下がっている株は買わない、持っている株が下がったら売るだけだと言っています。
その中でも印象に残っているのは、多くの人が確率やバランスを意識し過ぎているということです。
これだけ下がったらそろそろ上がるだろうとか考えて逆張りしたりすること自体が間違っているとの考えのようです。
バランスや確率はそんなに理論通り行儀よく収束しないためです。
私もこの確率やバランスに関しては、かなり意識していたかもしれません。
そして、徹底して順張りをできるcis氏の精神力は強く徹底してルールを守れる点が凡人との違いかもしれないと感心しました。
損切りは早く、利確は遅く
これは順張りの考え方にも紐づいており、持っている株が下がり始めたらさっさと損切りする。
そして、利益が出ている株は勝手に天井を決めつけずに最大限利益を伸ばそうとするという考え方です。
少しでも嫌な予感がしたら、あっさりと負けを認めて損切りしてしまうという点はさすがだなと思います。
そして、この損切りの重要性については私も全く同じ考えのため、230億円稼いだ天才投資家の方と同じ考えであることが分かり心強いです。
株式投資はゲームでありギャンブルである
これはcis氏の投資哲学のすべてであると言っても過言ではないかもしれません。
主にデイトレードで短期間に230億円もの大金を稼ぐことができたのは、ギャンブルで培われたリスクとリターンなどを考慮した瞬時の判断力と勝つために考える力と何よりも株式投資を最高のゲームとして楽しんでいることだと思います。
天才的なギャンブルに必要な能力を持ち合わせているのも間違いないと思いますが、株式投資を楽しみながら勝つための研究や情報収集も怠っていないため最強の個人投資家は生まれたのではないでしょうか。
結局のところ、この本を読んだ感想としては、cis氏は一言で破天荒な人だなと思いました。
だからこそ230億円もの大金を稼ぐことができたのだと思います。
逆に言えば、同じことをやれと言われても、私のような凡人に無理です。
ただ、株式投資には色々な考え方があり、cis氏の投資哲学をすべてを受け入れた訳ではありませんが、自分の投資スタイルにとって収穫もありました。
cis氏の投資哲学から得た収穫
cis氏からすると無意味なものかもしれませんが、私自身は株式投資をする際の指標として、やはり割安かどうかという判断は捨てることはできません。
私は直観的に上がっているものに乗ったりするような素早い判断や実際の売買はできません。
そのため、自分の中で割安で成長性が高いと思う銘柄に投資する方針は変えるつもりはありません。
そんな中での収穫は以下の考え方です。
- 長期投資に対する考え方
- バランスや確率は理論通り行儀よく収束しない
長期投資に対する考え方
cis氏の考え方に1年先や5年先、ましてや10年先のことなど分からないため長期投資はやらないというものがありました。
2018年は私は長期投資を取り入れたため失敗したと思うことが多かったです。
cis氏のような天才投資家でも先のことは分からないと言っています。
そういう意味で長期投資という名目で銘柄に惚れるのは資金効率が悪いのではないかと考えを見直しています。
今後、改めて別記事で長期投資については考えたいと思います。
(2019年6月18日追記)
長期投資について、以下の通り考察し記事にしました。

バランスや確率は理論通り行儀よく収束しない
これは、感想にも書きましたが、連続して下落するとそろそろ反発するのではないかということを私も考えていたと思います。
分かりやすく説明すると、コインを投げて裏になる確率と表になる確率は最終的には50%に収束していきますが、短期的なコイントスではその通りなりませんよということです。
5回連続で裏が出た後の6回目に表が出る確率はただの50%です。
しかし、人はなぜか5回も連続で裏が出たのだから、本来の確率以上にそろそろ表が出るだろうと勝手に考えてしまいます。
それは、5回も連続で裏が出たのだから、表が出ないとバランスが悪い(表裏それぞれ50%にならない)という考えが頭の中にあるためです。
これは株式投資でも同じだという事に気づきました。
例えば、相場が明らかな下落トレンドになっていても、さすがにそろそろ反発するだろうと早めに買ってしまったり、長期投資という名目のもと損失が出ても保有してしまったりしています。
しかし、今起きていることが現実で、3日連続で大幅下落したから明日はさすがに反発するだろうではなく、確率に頼らない事実に基づいた判断が必要だと思うようになりました。
まとめ
cis氏の投資哲学は、基本に忠実でもあり破天荒でもあります。
私の感想としては、cis氏の投資方法は簡単に真似ができるものではないという印象です。
それは、人間の心理に逆らう行動をする必要があるからです。
それができるcis氏は投資の天才であり、桁違いの金額を稼げる投資家になれたんだなと納得させられました。
ただ、この本を読み自分なりに収穫があったため満足ができる内容でした。
cis氏の具体的な投資手法や銘柄選定方法を知りたい人にはこの本は向かないと思います。
どちらかというと、cisという天才投資家の考え方を知り、自分の投資に活かせることがないかを探したい人向きの本だと思います。